くるまった夜の中で







「ひ、さし、」


擦れる声で名前を呼ばれてぴったりと閉じた目を少しずつこじ開ける。視界は暗いけど、月明かりに照らされたの輪郭が目に入った。


「なんだよ?」
「首、痛いよ」



雁字搦めにした腕を、はやんわりと撫でた。あまりにくすぐったくて腕の力を抜くと、は起き上がって軽く伸びた(その際に肩の辺りが変な音を立てた)。


「ほら、来いよ」

「今度は、やさしくしてね、」


俺の胸元に飛び込んできたが甘えた声でそう囁いてくうくう息を立てて寝てしまった。くそっ、俺のこの熱はどうしたらいいんだよ?







くるまったの中で



って悲しい生きものだよな